2013年度 和歌山教区仏教婦人会連盟 幹部研修旅行のご報告

東日本大震災被災地を訪ねて
”被災地の今”

(2013年10月3日〜5日)


■1日目 仙台別院にて
 仙台空港から昼食後まっすぐに仙台別院を訪ねました。そこで仏教婦人会の会長さんをされている北村さんから震災後のボランティア活動のお話をお聞きしました。 2011年6月より名取市の仮設住宅をはじめとして9ヶ所の仮設住宅において御茶会をおこなってこられたそうです。現在は、仮設住宅での御茶会だけではなく、借り上げ住宅の方や自主的に避難された方などを対象として仙台別院にてサロン活動を行ったり、公民館などを利用してコミュニティづくりのお手伝いをされているそうです。
 また、福島県相馬組の仏教婦人会会員の方が津波で妹さんを亡くされたのですが、水素爆発した原発の放射能の影響で遺体も見つけられないと涙ながらに話して下さいました。原発の恐ろしさを身近に感じ、放射能測定器をネットでロシアから購入して、手に持ったりしているというお話や、汚染処理をしたゴミが自宅の庭に積んだままになっている事など、本当に現地に来ないと解らないことが沢山あると感じた一日でした。

■2日目 松島〜中尊寺〜毛越寺
 松島湾を船で観光いたしました。いくつかの島が津波により無くなったそうですが、その沢山の島のお陰でこの地域は津波の被害を避けられたそうです。

■3日目 名取市ユリアゲ地区にて
 名取市ユリアゲ地区の日和山慰霊碑を参拝しました。 三陸地区と違って、長い松林の続く海岸に大きな津波が襲ったそうです。 おそらく自分の家があったところでしょうか、基礎石しか残っていない所で2人の子どもがスコップで何か探している姿が胸に響いてきました。
 再開発に向けて50センチ地上げをして工事が行われるそうですが、行政と自治体の話し合いがついていないそうです。
 また、避難されている方の中で、戻ってこられる意思のある方は25%あるか、ないかだそうです。
 10月に入り、稲刈りが終わっている田んぼも多いのですが、多くのお百姓さんは塩害も独自の判断で米作りを再開されたそうです。 案内していただいたバスガイドさんも被災された方で、報道されない貴重なお話を沢山聞かせていただきました。

 東日本大震災から2年7ヶ月が過ぎようとしていますが、復興は遅々として進んでいないように思われました。
 今回の研修旅行に参加でき、有意義な、そして貴重な3日間でした。

御坊組仏教婦人会会長
北野 操


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