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第3ブロック門信徒総研修会  〜御坊に300名以上の門信徒が集う〜

 9月5日(土曜日)、御坊市市民文化会館小ホールにおいて、平成27年度第3ブロック門信徒総研修会〈聞法の集い〉が御坊組担当のもと開催されました。


■開式
 当初、参加者は調査段階で254名でありましたが、当日の受付での記帳では、日高組83名、御坊組95名、紀南組122名の300名となりました。
 しかしながら、実際は記帳していなかった受付係りや駐車場の誘導係り、そして小ホールに入りきれずにロビーにてお聴聞をしていた御坊組の門信徒の数を含めると300以上の人が集まったと思われます。
 午後2時、司会の御坊組仏教婦人会 北野操会長が開式の辞を述べて開式となりました。その後、安養寺住職の導師のもと勤行が執り行われ、続いて、和歌山教区教務所長の中岡順忍師の挨拶、担当組である御坊組組長の湯川逸紀師の挨拶がおこなわれました。
 そして、午後2時半より、大阪教区勝圓寺、大阪教区少年連盟前委員長の戸川教宏師から『結ぶ絆から、広がるご縁へ』〜次世代を担う人の育成〜をテーマにご法話をいただきました。


■講題「阿弥陀さまはあたたかい」 講師 戸川教宏師

□お念仏を伝えること
 私は子ども達にお念仏の心を伝えていこうと、20年もの間、少年教化活動に携わってきました。自坊では毎月一回、土曜日の9時半から11時まで子ども会を開いており、本日も子ども会が終わってから電車に飛び乗って御坊にやってまいりました。
 長年、子どの教化活動をしてまいりましたが、教化活動としては、本来は子どもも、大人も関係ないと思います。仏法を伝える場は「私がありがたがる場」であり、「私自身が阿弥陀さまはありがたいな、お念仏は尊いな」と思わせていただく場こそが教化活動の場だと思っています。
 私は、お念仏を伝えることによって、この人の人生を変えていく、ということを肝に銘じています。普段一緒に暮らしていなかっても、休みになるとお孫さんが帰ってくる。帰ってくるとその家にはお仏壇があって、お仏壇に手をあわせなさいと言われる。
 子どもは何もわからずお仏壇の前に座って手をあわせて、ナマンダブツ、ナマンダブツとお念仏をする。お念仏を知らずにそのまま人生終わっていく人はたくさんいますが、この子はおじいちゃん、おばあちゃんのお蔭でお念仏を唱えさせていただく場に出会うことができた。このお念仏でこの子の人生が変わっていく。阿弥陀さまがこの子を今変えてくださっていると、常々思っています。

□教化活動での視点
 昔、あるお二人の和上さんからお言葉をいただきました。ひとつは「浄土真宗は聞こえてくるがありがたい」です。そして、もうひとつは、「最近は焼香卓を二つ欲しがる」です。
 ナマンダブツだけでよかったのに、最近は私の頭で理解できるものを欲しがるようになった。浄土真宗は聞こえてくるだけでありがたいのに、「なぜ、ナマンダブツで救われるのか」「なぜ、ナマンダブツが私を救うのか」我々はすぐに考えてしまう。ナマンダブツのお念仏が私の口から唱えさせていただくとき、そこに私を救うことのできる阿弥陀さまが間違いなく私を救う仏さまとなってくださっているのです。ナマンダブツが私をどう救っていくのかといった理屈ではありません。実は、このことが教化活動において重要な視点であります。

□教えの3要素
 自坊の子ども会ですが、毎年4月の花まつりが開講式のようなものになっており、その時に言うことは「ここは学校ではありません。勉強とは思はないでください。ここでしか聞けないような話をしてあげるから」です。  お寺でしか聞くことができない話とは、教えの3要素「他力本願」「往生浄土」「悪人正機」であります。
 こんな話があります。ある時、81歳のご門徒さんが、お仏壇を新調したのでお参りに来てほしいと言われました。一緒にお勤めしていると、そのご門徒さんが号泣され「やっとお念仏喜ばせてもらえるようになりました。それで、けじめと思い、お仏壇を新調させてもらいました」と言われました。残る人生あと残りわずかという時期に、阿弥陀さま喜ぶお念仏喜ぶ日暮しをさせてもらう、なんと素晴らしいことかと思います。こんな話をさせていただきます。

■閉式
 午後4時半、御坊組総代会会長の山田英一氏の閉式の挨拶のあと、恩徳讃を唱和して散会となりました。
 今回の研修会を実施するにあたり、各教化団体や教務所の職員の方々、皆様のご協力のお蔭で勤めさせていただきましたこと御礼申し上げます。


広報担当
 木下眞人(善妙寺住職)

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