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「おみどに響くかわいいお念仏の声」御坊組キッズサンガ今年も大盛会

 今年も組の実践運動の重点プロジェクトとしている「こどものつどいキッズサンガ」が8月19日、日高別院に160名を超える子どもたちを迎え賑やかに開催されました。
 今回はさる4月14日、17日に起こった熊本地震の支援も意識したメニューも加わりました。

■第1部 はじまり〜はじまり〜
 今年の8月はお盆がすぎても猛暑・酷暑の日々、この日、日高別院の障子、蔀戸(しとみど)をすべて開け放しても子ども・保護者で200名以上がぎゅうぎゅう詰めになった本堂内は人いきれで蒸し風呂状態。
 開会に先立ち、本堂中央に設置した、くまモン、きいちゃん、みーやちゃんが描かれた被災地支援メッセージボードに子どもたちによる励ましの言葉や折り紙、シールを貼ってもらいました。
 催しは予定通り午後1時30分に開会、まず別院の御本尊に合掌してご挨拶、「南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏」子どもたちの可愛いい声が本堂に響きます。次にお勤めとして「真宗宗歌」の一番を歌い、「み仏の み教えを きくものは なかよく やさしく 礼儀正しく いたします」など「三つのやくそく」を唱和しました。
 次に組長の私が担当する「お話」、前日の8月18日(お米の日)にちなみ、いかに多くの働きが一杯のご飯にそそがれているのか、そして私たちをいつも見守っていてくださる阿弥陀さまのお働きに気づかせていただきましょうと話させていただきました。
 いよいよ第一部開始、まず熊本地震の被害状況がスライドで紹介され、あらためてその過酷な現状を心に刻み、支援の輪の広がりを訴えました。次は「くまモンたいそう」残念ながらホンモノのくまモンは現在、全国の震災復興イベントにひっぱりダコ、当地への出張は日程の都合がつきませんでした。
 しかし、昨年の和歌山国体のマスコットキャラ「きいちゃん」御坊の道成寺宮子姫伝説にちなんだ「みーやちゃん」それに葬儀社メモリアルウエストのオリジナルキャラ「ジャガ助」が代わりを務めてくれました。どれもとてもかわいく子どもたちのボルテージは一気に頂点へ、着ぐるみの中はこの日参加してくれた若手ボランテイア。みんな子どもたちの歓声に応えるべく汗だくだくで頑張ってくれました。


■第1部 日高別院ウォークラリー
 次は日高別院ウォークラリー、この日の日高別院はアミューズメントパーク、本堂に向かい合うように「かき氷」「ヨーヨーつり」「バルーンダーツ」「ストラックアウト」「キックターゲット」「輪投げ」のテントが並びました。さらには芝生の上では、「竹馬」、「竹のこっぽり下駄」体験も、その運営は仏婦・総代会、壮年会役員の面々と寺族がお揃いのスタッフビブスを身につけ懸命に頑張ってくださいました。
 今年の「かき氷」は「くまさんかき氷」と命名された豪華版、かき氷にシロップをかけ、そこにアイスクリームをのせ、チョコレートボールで目鼻をつけ、ビスケットの耳をつけるという凝りよう。レストランで注文すると500円は下らないでしょう。もちろん子どもたちにも大人気、炎天下にならぶ長蛇の列をこなすため、2台の電動かき氷機がフル回転、仏婦のみなさまもまことにご苦労さまでした。

 テント内のゲームも大賑わい、人気の「ストラックアウト」パーンと風船が割れる快感がたまらない「バルーンダーツ」大当たりの景品(キャラクター消しゴム)がお目当ての「キックターゲット」は、何度も列に並び直して挑戦する子どもがいっぱいいました。
 本堂内ではスタッフのお姉さんに手やほっぺに動物や花をペイントしてもらったり、けんだまやビッグトランプタワー、ジャンボ黒ひげ危機一髪を楽しむ子どもたち、2歳くらいの幼児から小学校高学年まで、いろいろメニューを用意する必要があり、事務局も大変です。
 御堂会館では「うちわ作り」幸いこの部屋には冷房が効いています。透明のプラスチック板をうちわの母材として、「福笑いうちわ」「お絵かきうちわ」「シールうちわ」の3パターンのどれかに挑戦。絵を描いたり、シールを貼ったりしてオリジナルうちわをつくりました。お姉さんがつくった見本のようにはいきませんが、みんな楽しいうちわができました。


■第2部 テンションは最高潮!
 第一部はもりだくさん、十分堪能したところで、15時45分、本堂に戻っての第2部の開会、パネルシアターの始まりー始まりー。演目は「大きな魚」上演して下さるのはいつもの若手寺族女性の「おねえさん方」。遺産の金貨をめぐって悪だくみをする弟と正直ものの兄のお話。金貨をひとりじめにしようと弟がもくろみます。しかし、悪だくみは失敗、金貨をすべて失います。しかし兄はあくまでも弟に優しく接します。やがて弟には慙愧の心がが芽生え麗しい兄弟愛が戻るという筋書きです。公演では澄み切ったナレーションに加えお寺らしい、にょうはちや魚鼓という鳴り物が入り迫力満点。可愛い人形がパネルの上で動き回ります。子どもたちにとっても分かりやすい物語で、よく集中して聞いてくれていました。
 御坊組キッズサンガの〆はビンゴ。これだけを楽しみに参加している子どももいるとか。さあ始まりました。ビンゴのお兄さんは天性寺さんのご住職、楽しいトークを交え、当たり番号をスクリーンに映し出します。リーチにはなるも、なかなかビンゴにはなりません。子どもさんよりお母さんの方が真剣になっています。ビンゴが完成し始めると次から次へ前にならべた景品を早いものがちでもらってゆきます。バラエティに富んだ景品は善妙寺さんご夫婦がオモチャの本場大阪松屋町や北欧雑貨フライングタイガーのお店で仕入れてきたもの、ハズレはありません。20分くらいで、大騒ぎは終了。みんなお目当ての景品をゲットしてニコニコ顔です。
 楽しいイベントもここまで。閉会式では恩徳讃を唱和して第9回のキッズサンガは無事終了いたしました。


■みなさんに感謝です
 参加人数でみるとこれだけの規模で行っているキッズサンガは教区内随一でしょう。このコンテンツを作りあげて下さっているのは善妙寺さんのご住職・坊守様です。そして、何から何までの完璧な準備。お二人の超人的な仕事ぶりに驚嘆し、ただただ組として感謝するばかりです。
 今年も教化団体の役員や門徒推進員のみなさまには大変ご苦労をおかけしました。前日朝から本堂、境内の清掃、駐車場の草刈り、テント設営、ヨーヨーづくり、かき氷の試作・・・。寺族女性会のみなさまにはパネルシアターの練習を繰り返していただき、ウチワの見本制作の他、たくさんの材料(シール)を整えていただきました。
 運営に慣れた今年は予定を30分縮め4時30分には終了できました。役員さん方には第1部を終えた段階で、境内のテントなどの片付けを始めていただき、5時30分にはほぼ完了、別院を元の姿に戻すことができました。
 今年もスタッフとして組内寺院の御門徒や高校生、葬儀社の若手職員も加わって下さり、黄色のビブスが生き生きと動き回って下さいました。
 子ども・若者ご縁づくりは、浄土真宗本願寺に属する僧侶、門信徒の皆さんと協力し合い お寺を子供の心安らぐ居場所にしていこうとするものです。キッズサンガはその入り口です。子ども・若者が「手を合わせ、お念仏申す人」になってもらうことが私たちの共通の願いです。
 御坊組は過疎が進行する地域ですが、年に一度、このように崇敬寺院に集まり、大事な子どもたちを鎹(かすがい)として各寺の門徒役員が互いに交流しあうことも大変意義の深いことです。キッズサンガは子ども大人もお念仏に育てられるイベントです。来年、御坊組のキッズサンガは第10回と節目を迎えます。今年の取り組みの反省を基に、よりよい内容を追求したいと思います。どうか一層のご協力をお願いいたします。


御坊組組長
湯川逸紀(三宝寺住職)


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